アスベスト(石綿)

アスベストまたは石綿(イシワタ、セキメン)は、蛇紋石や角閃石が繊維状に変形した天然の鉱石で無機繊維状鉱物の総称である。

蛇紋石系(クリソタイル)と角閃石系(クロシドライト、アモサイトなど)に大別される。

繊維1本は直径0.02-0.35 μm(髪の毛の5,000分の1)程度である。

耐久性、耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性などの特性に非常に優れ、安価であるため、「奇跡の鉱物」として重宝され、建設資材、電気製品、自動車、家庭用品等、様々な用途に広く使用されてきた。

しかし、空中に飛散した石綿繊維を長期間大量に吸入すると肺癌や中皮腫の誘因となることが指摘されるようになり「静かな時限爆弾」と呼ばれるようになった。

以降、代替品としてグラスウール(ファイバーグラス)やセラミックファイバーが用いられる傾向にある。

古くは、古代エジプトでミイラを包む布として、古代ローマでは、ランプの芯として使われていた。

マルコ・ポーロの口述によるとされる『東方見聞録』に、ヨーロッパでは火に焼けないサラマンダーの皮と知られているものが鉱物である旨の記述があり、これが石綿ではないかといわれている。

20世紀に入ると、建物などの断熱材や防火材、機械などの摩擦防止用などに大量に使用されるが、1970年代に入ると、人体や環境への有害性が問題になった。

発ガン性などが問題となり、日本では2006年9月から、化学工業プラントで配管同士の接続に使用される「シール材」などの5製品を除き、原則禁止化。

2008年4月には、例外的に認められていた5製品についても2011年度を目途に全廃することとし、同年度以降、新たな石綿製品は日本では製造されないことになった。