抵当権(テイトウケン)とは、債務の担保に供した物について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済(優先弁済的効力)を受ける権利を言う。

質権とは違って引渡しを要しないために、所有者が抵当権成立後も引き続き使用・収益をすることができる、というのが概ね通有的な性質であるが、法域によっては引渡しを要する場合を含むこともある。

日本の民法においては、当事者の合意によって設定される約定担保物権であり、不動産や一定の動産・財団のみをその目的とし、一般財産をその目的とすることはできない。

これは、英米法におけるmortgage(譲渡抵当またはモーゲージ)に似るといえ、その訳語としても用いられる。

民法は抵当権の内容について「抵当権者は、債務者又は第三者が占有を移転しないで債務の担保に供した不動産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利を有する」と規定している。

抵当権の特徴は非占有型の担保物権である点であり、抵当権が設定されても抵当権設定者は抵当権が設定され担保となっている目的物を債権者に引き渡す(占有を移す)必要がない。

質権は、目的物を債権者に引き渡さなければならない点が抵当権とは異なる。

抵当権の場合には、抵当権設定者は引き続き担保の目的物を自由に使用・収益・処分することができる。