贈与(ゾウヨ)とは、当事者(贈与者)の一方がある財産を無償で相手方(受贈者)に与える行為である。

大陸法では、契約の一種(贈与契約)。

日本の民法も典型契約の一種とされている。

一方、英米法では契約(contract)は捺印証書または約因(対価)が存在しなければならないため、単なる贈与だけでは契約にはあたらない。

民法に規定する贈与は、ある財産を無償で相手方に与える意思を示し、相手方がそれに受諾することによって成り立つ片務・諾成・無償の契約である。

贈与は売買や交換と同じく権利移転型契約(譲渡契約)に分類される。

売買が有償契約・双務契約の典型であるのに対し、贈与は無償契約・片務契約の典型である。

「財産(ザイサン)」には、物権のほか債権さらには用益権設定も含まれる。

通説によれば、労務の無償給付あるいは物の無償使用は贈与の対象とはならない(後者は使用貸借となる)。

2017年の改正民法で、他人物贈与も有効であることを明文化するため、549条の文言は「自己の財産」から「ある財産」に変更された。

なお、商品販売時の景品について、贈与とみるべきか売買の目的物の一部とみるべきかは、それぞれの場合に応じ社会通念によって決まる。

また寄付のうち、災害被災者に対する募金活動のように、受寄者(管理・運営を行う事務局など)と受益者(例の場合には被災者)が一致しない場合には、信託的譲渡として構成される。

  • 個人から個人
    • 個人から個人への贈与については、贈与を受けた人に贈与税がかかる。
  • 個人から法人
    • 個人から法人への贈与の場合、贈与を受けた法人は時価で財産を受け取ったものとして受贈益を計上することとなり、法人税がかかる。
    • 贈与者である個人は時価で財産を譲渡したものとみなされ、当該財産の取得価額と時価との差額について所得税が課税される。
  • 法人から個人
    • 法人から個人への贈与の場合、受贈者が当該法人の役員・従業員であれば給与所得、それ以外の場合は一時所得として所得税が課税される。
    • 贈与者である法人は時価で財産を譲渡したものとみなされ、当該財産の取得価額と時価との差額を売却益として計上する必要があるほか、借方は役員賞与・賞与・寄付金となるため、会計上の費用となるが税法上損金とならないことがあり、法人税に影響する。
  • 法人から法人
    • 法人から法人への贈与の場合、贈与者は売却益を計上、受贈者は受贈益を計上し、それぞれ法人税の対象となる。
  • 一定の人格のない社団等や持分の定めのない法人等への贈与および同族会社への贈与などには、上記の原則に対する例外が定められている。